
令和7年9月27日(土)に、岡山市のピュアリティまきびにおいて、「令和7年度 岡山県高等学校PTA連合会 会長研修会」を、開催いたしました。
この研修会は、子どもの健全な育成を図るため、PTA活動の意義や役割を再認識し、指導者としての資質を高めることを目的に毎年実施されており、県内高等学校のPTA会長が参加して、熱心に研修を行いました。
本研修会での講演や分散会を通じて得られた貴重な知見や各校の取り組みを、今後の各校のPTA活動の充実に活かしてまいります。
【開会行事】

佐々木亨 岡山県教育庁教育次長
開会行事では、来賓の佐々木亨岡山県教育庁教育次長及び甲本龍平岡山県高等学校校長協会副会長からご祝辞を賜りました。
佐々木教育次長からは、「岡山県教育振興基本計画」実現に向けた学校、家庭、地域との連携の重要性が強調され、PTAには、子どもの夢や目標を応援する伴走者としての役割を期待していると述べられました。
【講 演】
演 題 子供の未来を拓く親としての基本
◇親として子供を成長させる10の条件◇子の巣立ちを助けるために◇
・・・延44,231回の個別面談から見えたもの・・・
=子供を伸ばす保護者の姿勢と鉄則=
講 師 日本進路指導推進協議会 会長 山口 和士 氏

続いて、講師に日本進路指導推進協議会 会長 山口 和士 氏をお招きして、講演会を行いました。
山口先生は、長年にわたり高校教育の現場でご活躍され、特に進路指導においては日本のリーダー的存在と呼べる方です。
また、人気漫画『ドラゴン桜』のモデルの一人としても知られており、実践に基づいた貴重なお話を伺うことができ、子どもたちと向き合う上で、大いに参考になる内容でした。
講演では、まずご自身の体験のお話がありました。山口先生は、山形の小さな寒村で生まれ育ちましたが、小学2年生から9年間、言葉を発することができない状態となり、深い絶望を感じていたそうです。そのような中、湯川秀樹先生と出会い、湯川先生からかけられた言葉に声を取り戻すことができたことから、言葉には、人を生き返らせる力があると思い、教師を志したそうです。
PTA会長には、一人の保護者として、親として子どもと真剣に向きあっているか問いかけられました。山口先生が生徒と個別面談を行った際、保護者に失望したという相談が3分の1もあったそうです。うまくいかない時期や、寄り道に見える時間も、実は大切な学びの過程であり、子どもが自分の足で立ち上がる瞬間を信じて待つことは、勇気のいることですが、それができるのは親だけだと話されました。
また、PTA活動は、不安を抱える保護者の拠り所であり、一人では解決できない苦悩を、活動を通じて学び高めていく契機となる場であります。親が学びや活動に前向きに取り組む姿を見せることは、子どもに「学び続けることの大切さ」を自然に伝えることができるという力強いお言葉もいただきました。
【分散会】
続いて、6会場に分かれ、分散会を開催しました。各分散会では、「PTAの存在意義と参加したくなるPTA」「単位PTAにおける特徴的な取組紹介」「PTAの変えるべきものと変えてはいけないもの」「今の保護者が望むPTAとは」などをテーマに協議が行われました。
PTAは、学校と保護者の橋渡し的な役割であり、家庭で担う責任も多いことから必要不可欠な存在であり、PTAの根幹的な部分である「子供たちのために、より良い環境づくりをする」ことは変えてはいけないという意見がありました。
そのためには、参加したくなるPTAにするための工夫・取組が必要であり、特徴的な取組をしている学校の紹介がありました。また、PTA活動の『見える化』を進め、対外的に情報発信を継続することや保護者が参加しやすい雰囲気作りを行うことが大切であるとの意見もありました。

